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借地借家法第28条の家主から契約解除する場合の正当事由

令和4年に事実上、「判例変更」されました。
この判例を知っているか知らないかで大違いです。
建物の「老朽化」や「耐震性の不足」を理由として、家主側からの契約解除が認められやすくなりました。これは、画期的ですね。だって、これだけ空き家が増え続けているわけですから、その場所に居座り続ける理由はないですよね。

「老朽化/耐震性の不足」それ自体が自動的に正当事由になるわけではない一方で、建替え・安全確保の必要性(耐震不足を含む)を具体的に立証でき、立退料等で補完できると、賃貸人側の解約申入れ(更新拒絶)や明渡しが正当事由として認められた裁判例は複数あります。



正当事由で「老朽化/耐震性」が効くときの整理(借地借家法28条)

裁判所は典型的に、次を総合考慮します。

  • 建物の老朽化の程度(劣化状況・設備の旧式化・維持管理の限界)
  • 耐震性能の不足(旧耐震、診断結果、補強の可否・費用対効果、安全性)
  • 建替えの必要性・合理性(防火地域、不燃化要請、行政指導、建物用途との関係等)
  • 賃借人側の事情(居住・営業の必要性、代替物件の確保困難性など)
  • **立退料(移転補償)**による補完

この枠組み自体は実務で一般的に共有されています。



肯定例(老朽化を「積極事情」として正当事由を補強し、立退料とセットで認容)

1) 老朽化+建替えの合理性+立退料で正当事由を認めた例(RETIO掲載事例)

RETIO(不動産適正取引推進機構の事例集)に、築後45年で老朽化したアパートについて、賃貸人の解約申入れを、立退料(100万円)で補完して認容した事例が掲載されています。
→「老朽化だけでは弱いが、建替えの必要性等と立退料で総合評価して認める」典型パターンです。

2) 老朽化を正当事由の“積極事情”と位置づけ、建替え(不燃化等)必要性も評価した例(RETIO PDF)

RETIOの別の解説PDFでは、木造2階建てで築30年以上の経年劣化について「建替え検討に合理性」があることを正当事由の積極事情として挙げ、さらに不燃化建物への建替えの必要性なども論じています。



重要:耐震性・老朽化でも「否定例」も多い(立証が弱いと負けます)

ご質問に直結する注意点として、“古い・旧耐震”だけでは足りないことが多いです。
たとえば、老朽化を主張しても、倒壊危険や緊急性、専門的根拠が弱いとして正当事由を否定する方向の紹介(東京地裁の事例紹介など)もあります。



実務で「認められやすい」立証セット(チェックリスト)

耐震性・老朽化を理由に賃貸人側から進めるなら、裁判で強いのはこの組合せです。

  1. 耐震診断結果(Is値など)/構造計算・専門家意見書
  2. 修繕・補強の見積(補強より建替えが合理的である根拠)
  3. 具体的な危険・支障(漏水、腐食、配管、電気容量、避難安全、是正勧告等)
  4. 建替え計画の具体性(計画図、資金計画、工程)
  5. 立退料の相場根拠(移転費、営業補償、差額賃料、造作等)

※家主様は、立ち退きは無理だと・・・諦めずに、お気軽にご相談してください。

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