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「昔は墓地だった」聞いていたら建てなかった!

A様は、40代男性。奥様と二人のお子様(7才と4才)、4人家族が暮らす念願のマイホームが完成したのは昨年のこと。

ご近所は20年ほど前に形成された住宅街で、小さな子どもが少ないエリアかもしれないとの不安が少しありました。しかし、売主(宅建業者)の担当者から、A様の自宅となった敷地と一緒に販売中の隣の敷地を年頃の近い子どもがいるファミリーが購入したと説明されたことで、購入を決心しました。

その後、念願のマイホームが完成、先に引越を済ませていたお隣さんは、聞いていた通り、5才のお子さんがいて、良好な近所関係を築けました。

ところが、お隣さん以外の近隣住民とは、なかなか打ち解けません。世代も違うし、今時こんなものかなと、深く考えないA様でしたが、ある日、隣のご主人からこんな話を聞かされます。

「うちと、Aさんの家、昔はお墓だったって聞いていましたか?妻がゴミ捨ての時に言われたのだけど『よく元墓のあった場所に家を建てたね』だって・・・

妻が、この手の話題が苦手で、今なら子どもの転校もないから、引っ越そうって煩いのですよ。どうしたらいいでしょう」

A様も、もちろん初めて聞く話です。まずは真偽を知ろうと、以前から住む住民に話を聞くことにします。

「わざわざ言うことじゃないと思ったのだけどね・・・聞かれるなら答えるけど、あの土地は無縁仏の合同墓地だったのよ。地主の▲▲さんのところのおばあちゃんが管理していたけど、3年前に亡くなったでしょう。それで息子さんが土地を売ったのよ。

丘になっていたところを削るとき、骨が見つかったってこの辺じゃ少し騒ぎになったわね」

さて、あなたがA様の立場ならどうしますか?

こちらはいわゆる『売主による「心理的瑕疵」の不告知』に該当するケースです。

売買契約時(または締結前の重要事項の説明)に問題があります。

心理的瑕疵については、2021年に国交省が「人の死の告知に関するガイドライン」を公表しています。

このガイドラインにて「トラブルの未然防止の観点から一般的に妥当と考えられるもの」を示されましたが、ガイドラインに従って対応しても契約不適合責任が完全になくなるとは限りません。

人の死の告知に関するガイドラインは、心理的瑕疵のすべてについての告知指針ではない点、何が心理的瑕疵に当たるかについての明確な基準はないという点を誤解して、その内容が買主様の購入判断に重要な要素でもあるにも関わらず、告げないでトラブルになるケースは、今も続いております。

何を購入判断の重要な要素とするかは人により様々ですので、我慢しないで、相談いただけると力になれることがあります。

また、誤って購入してしまった人も、場合よっては売買代金の一部を返還してもらえる可能性がありますので、ご相談いただければ幸いです。

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