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「お隣さんと境界トラブル」聞いていたら買わなかった!

B様は30代のご夫婦。新婚のお二人、奥様は妊娠中で生まれてくる子どものためにと、

ファミリー層が多く、緑豊かな少し郊外の住宅地を購入しました。

売主は聞いたことのない県外の不動産会社。貸家にしていたが、

入居者の退去をきっかけに「現況渡」にて土地(古屋付)の売買契約を交わしました。

実はB様には不動産業に携わる親戚がいて

「なんでも不動産屋任せにしてぼったくられるなよ!」と

アドバイスを受けていたため、ご自分で下記の手配を進めます。

  • 今ある古屋の解体
  • 確定測量(地積測量図は、昭和42年の古いものしかない)
  • 工務店とのマイホームプランの打ち合わせ

この「2,確定測量」の工程にて予想外の出来事が生じます。

お隣さんいわく「自分の持っている昭和35年の地積測量図では、B様との境界は、

現存する境界鋲の位置と異なるから、この機会に正しい位置に境界ブロックを付けなおそう!

実は3年前に相続があって測量した時にこのことが判明していて、

前の所有者とも話していたんだけど聞いてないの?」とのことです。

隣地の主張が通るならB様の敷地は5坪ほど減ってしまいます。

購入した土地の広さは45坪ですので、

5坪も減ると希望するマイホームのプランは不可能になります。

また、購入坪単価を鑑みてもお隣さんの主張を受け入れると、高い買い物になってしまいます。

B様はどうすればよいでしょうか。

お隣さんとは裁判で境界を確定させないといけないかもしれません。

(筆界確定訴訟または所有権確認訴訟)が、長く設置されていた現存する境界鋲もありますので

5坪の越境疑惑については、B様側に有利な主張(境界鋲の位置で正しい)が通る可能性も高いです。

しかし、裁判するにしても弁護士等にお願いする訴訟費用等、予定外の出費が生じます。

また、境界が確定するまで、新築工事に着工できません。

これでは、お子さんが生まれる前に家を建てようとの計画が根底から崩れてしまいます。

そこで、このケースでは『「契約不適合責任」にて売主に代金減額請求・損害賠償・契約の解除を求める』ようにアドバイスをいたしました。

「契約不適合責任」では売主の善意悪意は関係なく(売主が問題を知らなかったとしても)

予定した期限までにマイホームを建てる目的に沿わないことに対して追完請求が可能です。

さらに、お隣さんが「前の所有者とも話していた」と発言しており、

これが事実であれば売主は悪意であり、

損害賠償や契約の解除まで問題を大きくすることもできる可能性があります。

このご相談例ついては、最終的には弁護士と協力する必要があるケースに該当します。

「契約不適合責任」とは2020年4月の民法改正により変更した新しい考え方

(旧民法では「瑕疵担保責任」がこれに近い)ですので、まだまだ認知度も低いですし、

判例も出揃っていませんので、不動産に詳しい者の意見がないと戦略が立てづらい現状がございます。

不動産分野に精通した当事務所だからこそお役に立てると存じますので、お気軽にご相談ください。

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